サイクロン掃除機は宇宙船内の掃除には使えない
サイクロン掃除機に関してこれほど詳しい解説を見たことが無い。
⇒ サイクロン式掃除機の仕組みと長所短所 │ 元修理屋が選ぶおすすめ家電
家電の修理屋さんだからこそと言える着眼点で、みごとにサイクロン掃除機と紙パック式掃除機の違いを教えてくれる。
サイクロン掃除機といえば「もちろんダイソン・・・」と思い勝ちだが、1928年に最初の商品化がされていたと、ブログ内にも記載があるしネット上にも同様の記事がたくさんあり、1928年がサイクロン掃除機元年はどうやら本当らしい。
アメリカのホームサニテーションマシーンメーカー「ヘルスモア・インダストリーズ・インク」の商品に「マイ フェアレディエース75」という掃除機がある。
この会社が1928年に設立され世にサイクロン掃除機を出したわけだが、「マイ フェアレディエース」とは誇り高きその歴史に裏打ちされた、掃除機の名機らしい。
なんと価格はおよそ40万円だ。
⇒ マイフェアレディエース75 │ 株式会社たんぽぽコーポレーション
業務用に使うものであり家庭で使うことは無いだろう。
一般に売れるものでないことは明らかだ。
しかし、ダイソンはこのサイクロンという仕組みに目をつけ、まったく違うコンセプトによって作り出したのが、今やシェア40%に近いと言われるサイクロン掃除機だ。
サイクロンの仕組みとは“遠心分離器”と同様の原理なのだが、分離させるのは空気と粉体であり、固体物質を分離する遠心分離器とは若干違うそうだ。
空気とゴミである粉体が分離するのは、空気は渦を巻いて上昇するが、ゴミである物質は質量が大きいので重力によって下降するからだ。
なるほど、極めて分かりやすい原理によって作られている。
上昇気流と重力
つまり重力が無ければこの原理は成り立たない。
すなわち・・・重力の無い宇宙ステーションや宇宙船内の掃除には使えないということだ。
宇宙ステーション内の掃除の実際
宇宙飛行士の星出彰彦さんによると、ステーション内では毎週土曜日が掃除の日になっていたそうだ。クルーがそれぞれ掃除をする所を分担して行ったとのこと。
掃除機はどんなものを使ったのかは触れていないが、サイクロンではないだろう。