ブラック企業の定義を書き換えるとすべての企業がブラックだ
電通本社に東京労働局が抜き打ち調査に入った。
他にも地方の子会社において調査が行われた。
調査の目的は「長時間労働の実態調査」である。
昨年12月に新入社員が自殺した原因が、長時間労働による精神障害であると労災認定され、労働基準監督署が勤務状態の実態調査に乗り出したのだ。
池田信夫氏が寄稿した「電通「過労自殺」事件の原因は長時間労働だけではない」で氏が喝破している。
入社して半年余りの彼女にとって、会社がクライアントに嘘をついた尻ぬぐいを深夜早朝まで毎日やる心の負担は大きかっただろう。無意味な(あるいは反社会的な)仕事を100時間やらされる苦痛は、創造的な仕事を200時間するより大きい。
このような仕事をさせられる企業はたくさんあるだろうし、企業だけでなく官公庁も同じだ。東京都庁にもいたるところにこのような類の、非生産的な仕事がたくさんあるのではないだろうか。
やりがいのある仕事、やっていて充実感のある仕事・・・正反対なのが
- 人を欺くような虚しい仕事
- 保身だけを考えた誰かの為だけの仕事
こんな仕事だ。
池田氏は最後にこう締め括っている。
「この会社はブラックだ」と思うなら辞めればいい。それを妨げているのは、日本社会の「空気」なのだ。
ブラック企業は日本社会の「空気」が作り上げている。
すなわち、日本の企業のほとんどはブラック企業と言っていいのかもしれない。
池田氏は寄稿の中で、問題となった電通とGoogle(現、アルファベット)についての比較を述べている。
グーグルやアマゾンやツイッターやフェイスブックといった、現代を代表するような企業が日本からは生まれない。
その違いはどこにあるのか、何が違うのか、なぜ出来ないのか・・・その答えは、日本社会の「空気」にあるのかもしれない。