赤字地獄を脱出しソニーは復活するのかそしてあのVAIOは
ソニーは今年2月、パソコン事業の撤退とテレビ事業の分社化を柱とする再建計画を発表した。
この発表を受けて国内外から様々な反応が出た。
再建計画を否定的に見る意見もあれば、実行力に期待する意見もある。
SONYは、AV機器とエレクトロニクス分野では世界のトップ企業である。創業は1946年、創業者の井深大と盛田昭夫の名はあまりにも有名である。
SONYが生み出したヒット商品を振り返ってみると
- トリニトロン(1968年)
- ウォークマン(1979年)
- パスポートサイズハンディカム(1989年)
- プレイステーション(1994年)
- サイバーショット(1996年)
- VAIO(1996年)
- WEGA(後にBRAVIA)(1997年)
- AIBO(1999年)
このうち、トリニトロンとAIBO以外は、バージョンをアップさせながら現在も続いているブランドになっている。
今回の再建計画の大きな柱が、テレビ事業のBRAVIAは子会社を設立して事業を継続させ、パソコン事業のVAIOは事業が譲渡され、2014年7月1日、長野県安曇野市に設立されるVAIO株式会社に引き継がれる。
次に歴代経営トップを年代と共に掲載すると
- 前田多門(東京通信工業初代社長)1946年~
- 井深大(東京通信工業2代目社長・1958年ソニーに社名変更)1950年~
- 盛田昭夫 1971年~
- 岩間和夫 1976年~
- 大賀典雄 1982年~
- 出井伸之 1995年~
- 安藤国威 2003年~
- 中鉢良治 2005年~
- ハワード・ストリンガー 2009年~
- 平井一夫 2012年~
ソニーの今日の経営危機は2003年に遡る。
3月期決算の大幅な営業利益の減少と、翌期の営業利益の減少予想が発表され、株価は急落した。いわゆる「ソニーショック」だ。
これにより出井伸之氏が退陣し経営トップには安藤国威が就任したが、以後も経営悪化はつづき2008年には大幅な売上の落ち込みに至っている。
世界的なブランドであるSONYが、ここまでの姿をさらすことになった遠因は出井伸之氏にあると言う人がいる。
2012年9月に発行された『ソニー 失われた20年ーー内側から見た無能と希望』。著者はソニーに40年間勤務し2010年に退職した原田節雄氏。
同年11月に原田氏とのインタビューを掲載した記事がある。
⇒ ソニー元幹部が語る「内側からみた、迷走の“本当の”理由と再建策」
インタビューで原田氏が冒頭で次のように言っている。
盛田(昭夫)さんの時代のソニーは、いろいろ失敗を繰り返しながら一生懸命に仕事に取り組む武骨な会社でした。本田宗一郎さんの頃のホンダも多分そうでしょう。それを出井(伸之、元CEO)さんの時代にやらなくなり、うわべだけに走って、恐らくそれが「スマート」と言われるゆえんでしょうか。
そしてこうも言っている。
出井さんが陰のトップなのは変わりません。社長が交代しても出井さんが築いたものをずっと踏襲していて、何も変わっていません。ストリンガーさんは、何もせずに座っていただけのような人でした。
現社長の平井一夫氏は“出井路線の継承者”と言われるが、大幅な人員整理を行ったソニーは人材不足という声もある。
果たして復活する日がいつ来るのだろう。
一方、こんな期待がある。
⇒ ソニーから離れてソニーらしくなれるVAIO株式会社
新生VAIOを見る日はそんなに遠い日のことではない。