空き家活用の事例に見る誤った考え方と危険性

空き家が全国的な問題となっている。
人口減社会となり必要な住宅数は減っているのに、新築住宅は増え続けている。築年数の古い空き家が都市圏ばかりでなく、田舎でも目立つようになった。
国や自治体も空き家対策を講じるようになり、除却工事を促進する税制改正なども語られるようになった。

スポンサードリンク

一方、空き家の利活用を図り、モデルケースとなるような事例もある。
古い民家を改造してオフィスにしたりして企業誘致を進める自治体や、空き家をデータベース化しインターネットを通して売買やリースなどの流通不動産資産として活用しているケースなどもある。

http://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/keikaku/lifestyle/9/06.pdf

資産の有効活用とか人口減の著しい地方の活性化であるとか、空き家の利活用が有意義な面を持っていることは事実であるが、少し違った点で考えてみたい。

スポンサードリンク

人々が暮らす地域やコミュニティを形成するにあたり、ライフラインの開発促進や抑制を行う機能を持つ「都市計画」というものがある。
都市計画は自治体が定めるのだが、大きくは都市計画区域と都市計画区域外に分かれる。都市計画区域は市街化区域と市街化調整区域に分かれる。

つまり積極的に街並みの形成を図る地域と規制する地域を明確に分けているのだが、経済成長に伴い、市街化調整区域が市街化区域に編入されるごとく、開発を促進する区域が増加してきたのが今日である。

しかし、コンパクトシティといった概念が生まれたように、都市は拡大から縮小へと変化しつつある。
都市計画においても、これまでは開発促進に向かっていたベクトルを開発抑制に変更せざるを得なくなる。そうしなければ自治体の負担は増加する一方となる。

これまでの考え方を180度変えてみると、市街化区域である地域を市街化調整区域に変更しなければならない・・・こんなことが起こってくるのだ。

地域を線引きして、これまで人々が生活して特定の地域を、人が生活してはいけない地域に変更する。
この変更は、個々人にとっては様々な権利の制限を受けることになる。誰も喜んで受け容れるものではない。しかし、そうせざるを得ない時代が来るのかも知れない。

その時、空き家の活用というコンセプトと都市を縮小しようとするコンセプトには矛盾が起きてくる。
どう折り合いをつけるのか、知恵を試される時がきっと来るだろう。

空家再生プロジェクト

スポンサードリンク

このページの先頭へ