トヨタを抜くか? ソフトバンクの恐るべき経営戦略

ソフトバンクのテイクオフは、フォーバルと共同開発したNCC-BOXである。NCC-BOXの無償配布により自由化された電話料金の選択を容易にした。これが1987年のことだ。

NCC-BOXって何?・・・という方はきっと多いと思う。


時は1980年代後半のことだ。
高度経済成長を遂げ、安定成長時代に変わろうとする日本である。

これまでは、政府が先頭に立って日本経済を様々な政策によって引っ張ってきた。
時には護送船団とか言われることもあったが、当時の大蔵省に集まった優秀な頭脳が、史上、例のない敗戦国が短期間で経済復興を成し遂げるという快挙をやってのけた。

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そして、これからは日本を引っ張っていくのは民間活力に期待するという時代であった。
そこで行われたのが

  • 日本国有鉄道
  • 日本専売公社
  • 日本電信電話公社

この3組織の民営化であった。

ソフトバンクが立ち向かおうとしている組織、それは日本電信電話公社、現在のNTTである。

NTTが生まれたのは1985年4月のことだ。
その前年、日本電信電話公社の民営化を見据えて、第二電電(KDDI)が産声をあげていた。

これまで電話事業は日本電信電話公社が単独で行っていた。民営化によって競争相手が生まれることになった。当然ながら電話料金は統一ではない。電話事業会社によって料金体系は異なる。
電話を掛けるたびに一番安い電話回線を使うことが出来るようになる。しかし、操作が面倒だった。

そこで電話を掛ける相手先によって、自動で一番安い回線につなぐという装置がNCC-BOXだった。
もちろん現在はこのような装置は無い。

ソフトバンクは、NCC-BOXの無償配布を行い、新電電会社からロイヤリティを徴収するというビジネスモデルを作り上げ、その後の成長の基盤を作った。

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孫正義は在日韓国人三世であった(現在は帰化して日本人)。
高校までは「安本正義」と名乗っていた。
高校までと言っても、高校1年の3学期途中で退学しアメリカに渡った。

サンフランシスコ郊外の英語学校に通い、その年9月にはセラモンテ高校2年に編入したが、校長に直接談判をし、異例の3年生に飛び級さらに大学受験の資格を得る検定試験に合格し、翌年ホーリー・ネームズ・カレッジに入学した。そして2年後にカリフォルニア大学バークレー校経済学部の3年生に編入するのである。
この編入の難関をくぐり抜けることが出来るのはわずか1割の学生だと言われている。

孫はまさに天才と言われるくくりに入る人物だったが、実際には真似のできないほどの努力を積み重ねてきたことが、志高く 孫正義正伝 完全版 (実業之日本社文庫)に書かれている。


さて、今日書きたいことは孫正義の過去の話ではない。

現在、ソフトバンクは米国携帯電話4位のTモバイルの買収を果たそうとしている。
Tモバイルを買収できると既に買収したスプリント(携帯電話3位)と合わせて、ベライゾン・ワイヤレス、AT&Tの2強に肉薄できる勢力となる。

この3月期決算において営業利益1兆円を超えたソフトバンクは、連結純利益5270億円となりNTTドコモをついに抜いた。そして同1兆8904億円となったトヨタをいずれ抜くと宣言した。

昨年末のデータでは、東証時価総額の1位がトヨタの22兆1361億円、そしてソフトバンクが2位の11兆0460億円であった。
いずれトヨタを抜くという孫正義の言葉にハッタリは感じられない。
彼は本当にそう思っているし、必ずそうなる為に努力をする人間である。

孫正義が好きな歴史上の人物が二人いる。

一人は、孫が窮地に立った時に力を与えてくれた坂本龍馬である。
そして、もう一人が・・・・・織田信長である。

織田信長がやり遂げようとした革命・・・孫正義も同じ夢を見ているのではないかと思う。

そして気がかりなのは
孫の周りに明智光秀はいないのだろうか?・・・ということだ。

ジェロ Jero - カリフォルニア大学バークレー校授賞式でのスピーチ

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