農業改革は待った無し~日本の農業の将来像が危うい

TPPの先行きが見えなくなってきた。
TPP新時代に向けて声高に叫ばれた「農業改革」は、TPPの頓挫によって足踏みするのだろうか。
自民党の農林部会(小泉新次郎部会長)は、規制改革推進会議と自民党農林族の間に立ち、苦渋の決断を迫られた。そして政府が出した結果が「農業競争力強化プログラム」だ。

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農業競争力強化プログラムは13の項目にまとめられている。

  1. 生産者の所得向上につながる生産資材価格形成の仕組みの見直し
  2. 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通・加工の業界構造の確立
  3. 農政新時代に必要な人材力を強化するシステムの整備
  4. 戦略的輸出体制の整備
  5. 全ての加工食品への原料原産地表示の導入
  6. チェックオフ導入の検討
  7. 収入保険制度の導入
  8. 真に必要な基盤整備を円滑に行うための土地改良制度の見直し
  9. 農村地域における農業者の就業構造改善の仕組み
  10. 飼料用米を推進するための取組
  11. 肉用牛・酪農の生産基盤の強化策
  12. 配合飼料価格安定制度の安定運営のための施策
  13. 牛乳・乳製品の生産・流通等の改革

農林水産省のサイトには「農業競争力強化プログラム」の説明ページがあるが、そこには次のような説明文が書かれている。

「農業競争力強化プログラム」は、農業者が自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決するためのものです。

ここで言う『農業者の努力では解決できない構造的な問題』とは、つまり「全農(全国農業協同組合連合会)」のことを言っている。

農協は本来は『農業者の営農支援を行う協同組合』であったはずだが、全国組織を作り政治力を持ち、組合員から資金を集めて巨大金融機関となり、自らの組織の利益を最大化する為の集団と化した。

農林族と言われる議員の生殺与奪の権利を握り、議員を通して政治介入をしてきた。
それが、独禁法が適用されない農協法であり、減反政策を始めとする農産物の高価格維持政策であった。
(*4月に農協法が改正され独禁法の適用が可能となった)

これらの政策により農協が農業者から得る「農業資材販売手数料」と「農産物販売手数料」は、販売するものが高価格な故に、高い利益を農協にもたらしてきた。
農協がTPPに反対する大きな理由が、これらの利益構造が崩壊する可能性があるからだと言われている。

生活者・消費者は安い食料品を求める。輸入品が安ければ、安全性の担保を条件として輸入品需要は増加する。国内産の農産物が売れないと、生産者は困るがそれ以上に困るのが農協である。

「食の安全保障」の名のもとに食料自給率の低下は国家的な問題と思われているが、農協優先の政策と自立した生産者の育成とは、実はその方向性はまったく相反するものである。

食料自給率の向上・・・「日本の農業を守る」には、農協から自立した経営者としての農業者が多く育つことが必要なことだ。

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TPP推進派であった小泉議員だったが、TPPの先行きは不透明としても、引き続き農協改革を始めとした農業改革を是非成し遂げてほしいものだ。

安心して口にできる農産物、消費者も生産者も納得できる販売価格、国民が育てる農業を未来の為に再構築してほしい。

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