日本卸電力取引所(JEPX)の存在意義と電力自由化の行方

2003年に設立された「日本卸電力取引所」、2005年から電力の取引を開始したが、昨年までの年間取引実績は年間消費電力の2%程度だという。
4月スタートした電力自由化による電力会社の契約切替をした世帯は、9月末でわずか3%とこちらもまったく振るわない実績だ。
東京電力・関西電力の管内は全国平均を上回っているが、それ以外の7電力管内は惨憺たる状態だ。

自由化によって“より電気代が安くなる”・・・はずだったが、蓋を開けてみると『わずかな電気代の節約の為に、なんとなく不安な思いをすることも無い』というのが実感である。

JEPXにおいても、毎日30分単位ごとに取引単価が変動するのでは、売電事業の安定化を計るにはよほどのノウハウとシステム構築が必要だろう。

エネルギーに求められるのは安定性である。
そして安定性を求めるのは、電気を買う方は当然だが売る方だって同じことだ。

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電力単価が株や為替のごとく常に変動する。儲かったとか損したとかは取引そのものが事業目的だが、電力には設備投資を必要とする発電事業がある。
長期的な事業計画が成り立たないところでは、設備投資など出来るはずもない。

規制緩和・自由化と言えば聞こえはいいが、現実はそんなに明るいものでは無い。

下は東京電力の過去20年間の「電源設備」に関する設備投資額である。

年度 電源設備
1996年 5882億円
1997年 4036億円
1998年 3516億円
1999年 3468億円
2000年 3286億円
2001年 3947億円
2002年 2323億円
2003年 1901億円
2004年 1320億円
2005年 1182億円
2006年 1287億円
2007年 1316億円
2008年 2062億円
2009年 2064億円
2010年 2476億円
2011年 4117億円
2012年 3792億円
2013年 3025億円
2014年 3307億円
2015年 4169億円

2011年は東日本大震災により福島原発が運転停止したことにより、その後増加したものだろうが、2002年以前の水準と同じくらいの投資額だ。

売上高に対する発電設備投資額比率は7%ぐらいだ。投資にはこの他流通設備が似たような比率で投資されているので、投資額全体としてはかなりの金額となる。

参照 ⇒ 設備投資額|数表でみる東京電力|東京電力ホールディングス株式会社

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次に日本卸電力取引所の実績から、平成28年10月26日の取引単価を見てみよう。

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*引用は取引情報:スポット市場・時間前市場|JEPXより

深夜電力の時間帯の単価は当然下がるのだが、夕方のピーク時と午前中の平均的な値を比べると50%ほどの変動があり、売電単価をどう設定するのか戸惑いを感じる。
このような変動の大きい要素を持った売電事業など、とても関わりたいとは思えないが、電力自由化によって売電事業に参入した企業の経営状態は健全なのだろうか。

電力自由化はウソ!東電、関電が新たに仕掛けた洗脳をDr苫米地英人氏が徹底暴露!!

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