東芝旧経営陣が告発されるバイセル取引とは

バイセル=buy-sell取引とは売りと買いをセットにした取引のことだ。
A社がB社に部品を売り、B社はその部品を組み立て完成品にして、A社に売る。
A社は完成品である商品をユーザーに販売し売り上げを上げるのだが、A社とB社との間で行わる「buy」と「sell」をセットにした取引が「バイセル取引」だ。

なぜ、この取引が原因で旧経営陣が告発される可能性があるのか、東芝で行われた「不正会計処理」についておさらいしてみよう。

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架空の利益を計上できるマジック

東芝はPC製造を台湾の企業に委託していた。いわゆる「ODM」という方式だ。
PCの部品であるHDD、メモリー、液晶パネルなどを東芝グループから調達してODM先に供給している。

この際、供給する部品を無償供給する方法があるが、東芝の会計ルールで「無償」は禁じられていた。その為、部品を供給するとその時点で東芝に「売上」が発生する。

売上に対しては当然「原価」を計上しなくてはいけない。

東芝がODM先に部品供給をする際、東芝の仕入価格を相手先に明らかにはできないし、推測されるようなこともよくない。
そこで、仕入価格の推測を不可能にするよう、ODM先への価格には仕入価格にプラス「マスキング価格」を上乗せして供給をしていた。

そしてODM先から製品が東芝に納入される際には、マスキングによる上乗せ分も含めて、東芝は買い戻していた。

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ここでまず気が付くのが
部品をODM先に供給した時点で東芝には利益が生まれることだ。
その利益はマスキング価格を上げれば上げるほど多くなる。
PCを一般ユーザーに販売する前に、多額の利益を生むことができる。

そこで、決算期直前に『大量にODM先に部品を供給すると大幅な利益が生まれる』・・・こんな仕組みに発展する。

このような仕組みを利用して利益を計上することが「不正会計処理」であり「粉飾」と指摘されるところだ。
これを刑事告発せずにうやむやにしてしまうと、他の企業が真似をしかねないことを証券取引等監視委員会は懸念しているという。

一方、検察庁は刑事告発に慎重姿勢であるという。
検察と監視委員会とのせめぎ合いの結論は今年いっぱいだという。

個人株主から賠償請求を受け、日本トラスティ・サービス信託銀行からの賠償請求訴訟もある東芝のケジメのつけ方はどうなるのか。

東芝不正会計問題 東証に再発防止の報告書提出へ

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