エアバッグを膨らませる硝酸アンモニウムがタカタを追い込んだ

エアバッグのリコール問題で窮地に立つ「タカタ」は、米連邦破産法適用の検討をしているという。
日本でも法的整理を申請する可能性も出て来た。

そもそもタカタのエアバッグに、このような不具合がおき、大量リコールにつながったのだろうか。

スポンサードリンク

平成10年8月10日、新潟市の木材防腐処理会社の従業員9名が、出勤してきて間もなく気分が悪くなり倒れた。
原因は薬物中毒によるものと後に判明するが、倒れた全員は約1週間の入院をした。

警察の捜査により同僚従業員の犯行と判明したが、使用された薬物は電気ポットに入れられた「アジ化ナトリウム」であった。
アジ化ナトリウムは防腐剤として当時使われていた薬物だが、起爆剤としての用途もあり、この頃、エアバッグを膨らませる起爆剤としても使われていたものだ。

同じ年の10月15日には、三重大学の作物学研究室で電気ポットにアジ化ナトリウムが混入され、6名が被害にあった。その12日後、愛知県岡崎市にあった国立共同研究機構の基礎生物学研究所にて、同様の事件があり4名が入院した。
その翌日、10月28日の朝、京都市の国立療養所宇多野病院でも8人の医師が、コーヒーを飲んだ後に嘔吐したが、やはりアジ化ナトリウムが検出された。

度重なる「アジ化ナトリウム」を利用した傷害事件の発生により、翌年、厚生労働省はアジ化ナトリウムを毒物指定した。その結果、エアバッグの起爆剤として使用することは出来なくなり、エアバッグメーカーは代替品を探さざるを得なくなってしまった。

スポンサードリンク

タカタが採用した硝酸アンモニウム

このような事情があり、タカタがエアバッグの起爆剤として採用したのが「硝酸アンモニウム」であった。
因みに、他のエアバッグメーカーは同剤は使用していない。

硝酸アンモニウムは火薬の原料となる物質で安定性が低いものらしく、タカタでは他の化学物質を添加し安定化させたものを使用していたというが、湿気を帯びると異常燃焼する性質があるという。

タカタのエアバッグの異常作動について詳しく解説したサイトがある。
参照 ⇒ エアバッグ大量リコールの始まりと終わりは | 廃車ドットコム

身の安全を守るものが実は逆なものを作ってしまったという、あってはならないことが起きてしまったのだが、技術の開発過程で生まれるちょっとした判断のミスが、企業の生死を左右することにまで発展する。

人間の判断力を信じてはいけないのかもしれない。

新型インプレッサ 歩行者保護エアバック

スポンサードリンク

このページの先頭へ