精神保健指定医を不正取得する医師の倫理観

「津久井やまゆり園」事件の容疑者が、措置入院した際に係わった2名の精神保健指定医のうち1名が不正に精神保健指定医の資格を取得していた疑いがあることが判明した。

昨年、川崎市「聖マリアンナ医科大学病院」で発覚した「精神保健指定医不正取得」問題後、全国で調査をした中で発覚したという。

不正取得した医師による判断と事件との因果関係は無いと思うが、やり切れない事件の裏にこんな問題があったとは・・・

スポンサードリンク

精神保健指定医の資格とは

精神保健指定医の資格制度は、1983年に起きた「宇都宮病院事件」がキッカケだという。精神科病院の「宇都宮病院」で患者2名が看護職員の暴行により死亡した事件があった。
宇都宮病院は、他の精神科病院で対応できないような粗暴な患者を積極的に受け入れていたらしい。
そして、患者への虐待が日常化していたと言われている。
そのような中でこの事件は起きた。

かつて精神病院は閉鎖的な印象のある病院だった。
正常な知的判断能力が低下した患者や、問題行動を起こす患者など、精神科以外の疾患をもった患者とは一線を画す特殊性がある。

その為、病室の施錠や窓格子など、通常の病院では考えられないような設備があり、患者が自由に外出することは許されない。
時にはベッドでの身体拘束など、人権問題になる可能性のあることも医療・看護の範疇に入ってしまうので、家族にとっては大変心配なことも多いものだ。

更に宇都宮病院では、患者が唯一外部と連絡が取れる病院内の公衆電話電話すら、自由に使うことは出来なかったようで、家族の知らないところでとんでもない犯罪が行われていたわけだ。

この事件は国際社会でも大きな批難を受けることになり、政府は「人を強制的に入院させる権限を与える医師をより厳格に指定する」ことにした。
こうして1988年に精神保健指定医資格が始まった。

スポンサードリンク

精神保健指定医がおいしい理由

人権問題が背景となって生まれた精神保健指定医制度だが、結果は患者の人権が守られるようになるよりも、病院経営の向上に役立っているそうだ。

精神保健指定医資格があると診療報酬が優遇されるそうで、クリニックの開業を考えている若手医師は、将来の経営上の観点から資格を目差すことが多いという。

また、この資格を取得するには、8つの種類の実際に診療にあたった症例リポートを提出しなければならない。
(*今回の不正取得はこのリポートを偽造した手口)

ところが、8つの種類のうち一つが、非常に症例数の少ない「子どもの強制入院症例」だ。
症例が少ないのでリポートが作成できない、そこで、本来は入院する必要の無い子供を強制入院させてリポート作成をしている事例があるそうだ。

医者の倫理観とは、どうなっているのだろう?

参照 ⇒ 放置された指定医の暴走

精神科救急24時part1

スポンサードリンク

このページの先頭へ